
和晒(わざらし)とは
|和晒(わざらし)とは
織りあがったばかりの木綿は、天然繊維であるため、油分や綿カス、糊(のり)などの不純物が付着した状態です。その不純物を落とす工程を一般に晒(さらし)と呼びます。
現在、一般に使用されている綿製品のほとんどは、短時間に高圧力で仕上げる洋晒(ようざらし)が主流です。洋晒は自動精錬機で40分ほどで仕上げられます。
一方、大阪「堺」の石津川沿いにある7軒の晒工場では、江戸時代と変わらず、いまも「釜」で炊く方法で晒加工を行っており、通常は、釜入れ→炊く(1日目)→炊く(2日目)→釜出しの4日間かけて仕上げます。
その手法は「和晒」と呼ばれています。この堺の和晒工場7軒で、日本の和晒の90%以上を生産しています。

|和晒の風合い
洋晒加工によって短時間・高圧力で晒された木綿の繊維は、やや扁平になってしまいます。一方和晒は、長時間釜にいれた状態で、煮られながら精練、水洗いで洗浄、と次々工程を重ねていき、余分な 圧力がかかっていませんので、仕上がった繊維の断面は円形を保っています。この円形の繊維が、優しくて柔らかいふんわりとした肌触りを生み出し、木綿本来の風合いを最大限引き出します。

|和晒の機能性
通常、生地のプリント工程において、色柄をのりやすくするために、生地の表面の毛羽(ケバ)を焼いてしまうのですが、織りあがったそのままの状態の生地を使用する和晒の場合には、毛羽(ケバ)はそのまま残っています。
目には見えませんが、洗えば洗うほど毛羽(ケバ)が立って、どんどん柔らかくなっていきます。さらにこの毛羽(ケバ)自体が水分を吸収するため、吸水性の良い生地が生まれます。
この毛羽と、繊維にストレスをかけない和晒の製法が、生地そのものに高い吸水性・通気性・保温性を与え、柔らかな心地よさを実現します。

和晒で仕上げた生地は、昔からガーゼや赤ちゃんの肌着・オシメなどによく使われてきました。それは安心・安全の証。
洗えば洗うほどふんわりと柔らかくなるその風合い、一度使ったらやみつきになる、優しく柔らかな肌触りをお楽しみください。
※「くらす和晒」にて販売している生地は全て「和晒」のアイテムです。