くらす和晒 エッセイNo.4 「秋も深まり、肌寒く。」

2023/10/20

くらす和晒　エッセイNo.4 「秋も深まり、肌寒く。」

十月に入って、日中と朝晩の寒暖差が激しくなって、職場でも体調不良者が続出。
日中は、半袖でも大丈夫な日があるけれど、朝晩はそれでは寒い。
体温調整が難しい。

あの流行病からプライベートや通勤時、就業時にはマスクを着用しているけれど、風邪でお客様の前で咳き込んだとしてもお客様が怖い想いをされはしないかとひやひやするのだ。
　
昨年の夏から秋までは、私も主人も量販店の半袖ハーフパンツをパジャマ代わりにしていた。
それが一番涼しいと想っていたし、リラックス出来るものだと想っていたから。

夏から秋口は、寝苦しくて眠りが浅い。　
だから、疲れが取れず朝から身体がだるいのも当たり前。
夏が終わって秋も深まればこの体調の悪さも解消されると。

それが間違いだと気づかせて貰えたのは、主人がこのお盆休み中にお世話になった内科の先生からだった。

いつもなら、風邪をひいても牛丼の特盛を食べてしまうほどの主人が食欲がないと携帯ゼリーばかり食べて市販の風邪薬と栄養剤を飲んでいるのを見かねて私が体温計を渡すと、体温は上がりに上がって38,4度。
大きな病院へ電話をかけて診察をお願いするとコロナ検査を含めすぐに対応をしてくださった。
先生は、この時期、風邪が多い理由を話してくれた。

「夏はエアコンで身体を一日中冷やしますからね。その冷えの影響で、秋は免疫力が低下して風邪をひきやすいんです。
対策は簡単です。長袖のパジャマを着て身体を冷やさないようにして下さい。」

暑くて寝汗をかいてまた風邪をひくのでは？と、想ったけれど、先生がおっしゃるなら、と、長袖のパジャマで眠ることにした。

が。

用意が出来たのは量販店の綿のパジャマで、一見薄手の生地でもエアコンを体温が上がり暑くて起きてしまう。

どうしたものかと考えているときに次男から電話があって、相談してみると解決の糸口が見つかった。
「俺は、和晒のパジャマを着てるけどね、一年中。纏Matoiシリーズのやつ。汗をかいてもさらっとして肌触りがいいし、べたつかないのもいいんだよね。」

言われて、和晒のもんぺの履き心地を想い出した。

長袖のパジャマも和晒なら期待できる！

すぐに、主人に纏Matoiシリーズのいろは織とドビー織を一枚ずつ。
私は、二重ガーゼパジャマのpanemaのグリーンとラベンダーを一枚ずつ。
ネットショップで購入した。

正直、着てみるまでは、「そうは言っても」と言う気持ちが主人からは感じられた。
それくらい、暑い夏だったからその時は仕方がなかったのだけれど。

パジャマが届いて、まだお盆休みの主人はすぐに着替えたようだ。
私が帰宅すると、いつもならリビングのソファーの上から「おかえり」と言う主人がわざわざ玄関まで出迎えてくれて。

「智子、早くシャワーしてパジャマに着替えたほうがいい！」

なにやら興奮気味に伝えてくれる。
ならば、と、シャワーを浴びて届いたパジャマを着てみると、主人の興奮の意味が分かった。

とにかく肌馴染みが良く、ふんわりと軽い。
締め付けがないから、動きやすい。
と、言うことは、寝返りしたときのパジャマの引き連れのようなものも少ないということで安眠できる。

しかも、美容部員としては、この夏、汗をかいて負担をかけたお肌に、ストレスがない優しい触り心地は本当に嬉しい。
夏から秋の初めは、汗や皮脂や日焼け止めで肌が酷使され、そこに強い生地が触れればあっという間に肌荒れの原因になってしまう。
そんな意味でも、このパジャマは身体の冷え対策だけではない利点があるのだ。

デザインも素敵でカシュクールタイプでふわっとしたAラインになっているし、襟足に沿った立体縫製だから首元も冷やさないのも嬉しいポイント。

主人の纏Matoiシリーズもデザインも素敵。
ドビー織の方は、生地に厚みがあるのに肌触りもよく通気性が良いため扇風機の風も涼しく感じられるらしい。
いろは織の方も同じく通気性も肌触りも良いけれど、特徴的なのは、その生地だろう。
縦糸に先染めの色糸をランダムに織り込むことで色調に変化が生まれ、品のある雰囲気に。

これは、次男が一年中このパジャマを愛用するのも頷けるなぁと、この日の夜の食卓で会話が弾んだ。

その翌日の朝、身体の冷えがなかったためか私も主人も身体のだるさが感じられずスッキリとした気分で起床できた。
前日とは違うその目覚めは、その翌日も翌々日も続いたので気のせいではない。

たかが眠り、されど眠り。上質な眠りは、健康を促すとも。